園芸辞典(な行)
夏越し
夏を越すこと。園芸の植物は外国産のものが多く、真夏と真冬の気温差が激しい日本では対策をしないと枯れてしまうこともあります。
■ポイント:半日陰に移動し、直射日光・葉焼けなどを防ぐ。加湿を避けるため、茎や葉っぱを間引きしたり、あえて水を控えたりする。弱っている植物に肥料を与えすぎてしまうと枯れる原因になってしまうので注意しましょう。
ナズナ
春の七草のひとつで、春から初夏にかけて4枚の白い花弁を持つ小さな花を多数咲かせます。ロゼッタ状の葉の中心から茎を伸ばし花をつけます。
茎に連なるようについているグリーンの平たくハート型(軍配型)のものは、実です。
■土:痩せた土でもよく育ちます。
■水やり:多湿を嫌うため水の与えすぎに注意。
■ポイント: 肥料は不要ですが、肥料を与えると花つきがよくなる。
ナツメ
南ヨーロッパ、もしくは中国原産と言われており、
日本へ渡来したのは奈良時代以前とされています。
和名は夏に芽を出すことに由来しており、
秋にはリンゴに似た風味の甘い果実をつけます。
果実は生食される他、ドライフルーツや漢方としても利用されます。
ただし、枝には鋭い棘を持つため収穫には注意が必要です。
土質を選ばず育つ丈夫な木ですが、
日光を好むため日陰では成長しにくく、実付きも悪くなります。
ナデシコ(ダイアンサス)
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
■ポイント:乾燥を好み、加湿を苦手とするので、水の与えすぎや蒸れに注意。また、鉢植えの場合、根詰まりを起こすことがありますので、定期的に大きな鉢に植え替えましょう。
ナンテン(南天)
■日当たり:日当たりのいい場所を好みますが、半日陰でも生育します。日当たりが悪いと、花付き、実付きが悪くなります。
■土:基本的に土質にこだわる必要はありませんが、できれば水はけのよい腐葉土などが混ざった粘土質の土が適しています。
■水やり:庭植えの場合は、極端に乾燥する場合以外は、自然の雨だけで十分です。鉢植えの場合は、土が乾いてきたら、たっぷりと水を与えてください。
■ポイント:基本的に暖かい地域で自生する樹木ですが、耐寒性は強いため、よほど寒い地域でない限り、植栽可能です。
ナンテンの実には「ナンテニン」や「ヒゲナミン」という咳止めに効果のある成分が含まれているため、昔から実を乾燥させて薬代わりに使用したという歴史もあります。
ニオイバンマツリ
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えの場合は土が乾燥した状態が続いた時に水を与えます。
■ポイント:日当たりを好みますが、乾燥が苦手です。真夏の直射日光や西日を避け、水切れに注意します。また、熱帯の植物なので寒さにもあまり強くはないですが、霜を避けて屋内へ取り込めば冬越しは可能です。
ニゲラ(クロタネソウ)
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えの場合は根が張った後はほとんど必要ありません。
■ポイント:暑さが苦手なので夏が来る前には枯れてしまいますが、種を採取することは出来ます。多湿は苦手なので水の与えすぎに注意。
西日
午後からさす西に傾いた日差し。植物は活動時間が午前中なので、特に夏の西日は暑さが増し、植物の日焼けを起こしてしまい、場合によっては枯れてしまうこともあります。
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)
テントウムシ科マダラテントウ亜科に属する一種。アブラムシや菌類を食べる他のテントウムシと違い、ニジュウヤホシテントウは食欲旺盛で葉や果肉、特にナス科やウリ科の植物の葉を好んで食べてしまう。
■特徴:くすんだ淡褐色、または橙色の背面に28個の黒斑があり、毛が生えているため、他のテントウムシと比べるとツヤがない。葉脈を残して葉っぱを食べるので網目状の食い跡ができます。幼虫にはトゲが生えているが、小さいので見つけるのは難しい。
■対策:ナス科の植物の葉を好むので、近くにじゃがいもなどを植えないようにしましょう。葉裏をチェックして、卵があれば処分する、防虫ネットを使用するなど。殺虫剤を使用する場合は他の益虫に影響が出るものは使用しないように注意しましょう。
二年草
代表的なものとして、カンパニュラ、ジギタリス、タチアオイなどがあります。
日々草(ニチニチソウ)
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
■ポイント:乾燥には強いですが、加湿は苦手なので水の与えすぎに注意。また、直根性なので植え替えはあまりしない方がおすすめです。
ニーレンベルギア
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えの場合はほとんど必要ありません。
■ポイント:通気性のよい場所で育てます。また、乾燥も少し苦手なので、夏の水やりを忘れないように注意しましょう。
ネオレゲリア
着生植物であり、現地では他の樹木や岩に張り付いて生育します。鮮やかで美しい葉色や模様を持つものが多く、観葉植物として人気があります。花のように展開する葉の中心部は筒状になっており、そこに溜まった水を吸収し生きています。そのため水やりは葉の中心部に常に水を溜めておくように行います。日当たりを好み、よく日に当てると色鮮やかに育ちますが、あまりに強い直射日光の下では葉焼けを起こすので少し遮光します。熱帯植物としては耐寒性の強い部類ですが、最低気温が10℃を下回るようになったら室内に移動させた方が安全です。
根切り
木などの根の先端を切ること。木の勢いを抑え、花芽をつける働きがあります。また、根切りをすることで切った部分から新しい根が伸びます。
根腐れ
根が腐ること。水や肥料の与えすぎや、水はけの悪さが原因で根が傷みます。鉢植えは根腐れを起こしやすいので、鉢皿に水をためないように注意しましょう。
ネコノヒゲ
春から秋にかけて咲く白い花に特徴があり、雄しべと雌しべが長く伸びてやや上向きにピンと反り、ネコのひげを連想させるところからこの名前となる。
葉に利尿作用や血圧を下げる効果のある成分があり、薬草としても使われる。
■土:排水性もよく、かつ適度に水持ちのよい湿り気のある土壌を好みます。
■水やり:乾燥が苦手。特に夏は水枯れに注意する。
■ポイント:耐寒性の弱い植物で、冬越しには10℃以上の気温が必要です。
ネズ(ネズミサシ)
硬い葉をねずみ除けとして使っていたことから、
「ねずみ刺し」が転じて「ネズ」と呼ばれるようになりました。
庭木や生垣として利用される他、盆栽としても親しまれています。
針葉樹の多くはいわゆる「松ぼっくり」状の実をつけますが、
ネズの実であるジュニパーベリーは多肉質な果実になり、
西洋では香辛料として肉料理やリキュールであるジンの香り付けに使われます。
根詰まり
鉢植えの中で長い間植物を植えたままにして根がいっぱいになること。そのままにしておくと、葉が枯れたり、花が咲かなかったり、最悪の場合根が呼吸できずに根が枯れてしまうことがあります。
長い間土の植え替えをせず根詰まりした株は、水や栄養分の吸収が悪く、育ちにくいため新しい用土を準備し、ひと回り大きな鉢に植え替える必要があります。
ネメシア
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えの場合はほとんど必要ありません。
■ポイント:高温多湿が苦手です。また、日当たりのよくない場所で育てると、茎が伸びてバランスが悪くなり倒れやすくなってしまうので注意。
根回し
樹木を移植する数ヶ月から1年前に前もって掘り上げる予定の根の大きさに切っておくこと。切り口から新しい細根が発生することで移植の際の植え痛みを軽減することができます。
ネムノキ(合歓木)
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:土の表面が少し乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は土の表面が完全に乾いたら水を与えます。
■ポイント:種や小さな苗から育てると、開花まで時間がかかるので鉢に植えてあるネムノキ等を購入するのがおすすめです。育てやすいですが、移植が難しい植物なので、庭植えで育てる場合はよく考えて植え付ける場所を選びましょう。
ネモフィラ
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:土が乾いたらたっぷりと水を与えます。水の与えすぎに注意。
■ポイント:乾燥気味の用土を好みます。肥料の多いものは使わず、水はけのよい土を選びましょう。手間はあまりかかりませんが、葉が茂りすぎた場合は間引きをして風通しを良くしましょう。
ノウゼンカズラ
つる性の落葉樹。開花期は、7月~8月。オレンジ色や赤色の花を咲かせます。
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:自然の雨だけで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えてください。
■ポイント:花の寿命は短いですが、育てやすく、夏に鮮やかなオレンジ色や赤色の花を咲かせるため、庭植えにとても人気のある樹木です。
ノースポール(クリサンセマム)
キク科フランスギク属の一年草。樹高は15㎝~30㎝で、開花期は12月~5月。花色は白で中心は黄色。開花期が長く、冬の園芸植物の定番で、暑さに弱いので日本では一年草扱い。ノースポールは「北極星」という意味があるが、こぼれ種のノースポールはいい匂いはしない。
■土:排水性のよい土を好みます。
■水やり:鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。庭植えの場合はほとんど必要ありません。
■ポイント:乾燥に強く、加湿が苦手なので、水の与えすぎや蒸れに注意。また、寄せ植えの際、ノースポールは密集していると蒸れて腐ってしまうので、剪定をして風通しをよくしましょう。
濃度障害
薬剤や肥料の濃度が高すぎること。塩類濃度障害とも呼ばれます。
濃度障害を起こすと、葉が枯れたり、根が傷んだりして、植物の成長が鈍ってしまいます。ひどい場合は、枯れてしまうこともあります。
【園芸豆知識一覧】
- 秋を鮮やかに彩る赤い花 – 彼岸花と二十四節気「秋分」
- 涼しげな風情を演出する秋の七草 – ハギと二十四節気「処暑」
- 真夏の太陽に輝く大輪 – ヒマワリと二十四節気「大暑」
- 移ろいゆく季節を告げる可憐な花 – アサガオと二十四節気「夏至」
- 初夏の風物詩、雨に映える花 – アジサイと二十四節気「芒種」
- 春を彩る鮮やかな色彩- ツツジと二十四節気「清明」
- 春の訪れを告げる風物詩 – 桜と二十四節気「春分」
- 園芸辞典(あ行)
- 園芸辞典(か行)
- 園芸辞典(さ行)
- 園芸辞典(た行)
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- 園芸辞典(は行)
- 園芸辞典(ま行)
- 園芸辞典(や行)
- 園芸辞典(ら行)
- 園芸辞典(わ行)
- 春から始めるガーデニング
- 肥料の種類とやり方について
- 植物と土壌pHの関係
- 水やりは適切なタイミングと方法で
- 園芸の基本は土づくりから
- 朝顔・昼顔・夕顔・夜顔の見分け方